SABOの八つの世界    

   私の選んだJポップ・オールタイムベストCD&DVD
                           (その1)
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私が選んだ歌手たち

太田裕美
岩崎宏美野口五郎河合奈保子松田聖子松本伊代薬師丸ひろ子

〔以下は(JポップベストCD&DVD・その2)で解説〕松任谷由実、山本達彦、山下達郎、今井美樹(南野陽子)、高橋真梨子、(推薦歌のみ……南野陽子、柏原芳恵、まがじん)

〔以下は(JポップベストCD&DVD・その3)で解説〕MISIA、倉木麻衣、中島美嘉、平井堅、平原綾香



 私が今まで三十数年にわたり聴いてきたJポップのCDと、コンサートのDVDのベスト作品を次にあげてみます。ただ、私は音楽評論家ではなく、単なる一人の音楽ファンにすぎません。したがって自分の好きな歌手のCDしか聴かないし、また好みも女性歌手のバラードに偏っているということも事実です。「どうしてサザンや中島みゆきを聴かないのか」といわれても、好みの問題だからしかたないんです。しかし、私と似たような音楽の趣味を持っている人には、けっこう参考になるのではないでしょうか。特に若い人で、今のJポップはよく聴くけど、昔の歌も聴いてみたいという人には、歌手や歌を選ぶ際の一つの判断材料になると思います。
 私の持っているCDの中には、ベスト盤を中心に一、二枚ほど聴いただけというミュージシャンのものもかなりあります。しかしここで取り上げるのは、私が数枚から二十枚ほどのアルバムを買い、長年にわたって愛聴してきた人たちにかぎりました(そうでないと、どれが本当にベストのアルバムや歌か選びようがないですから)。山ほどある優れた歌曲の中でこれだけに絞るのは大変でしたが、現在でも手に入りやすいものを中心に選んでみました。
(以下アルバム名は『  』で囲い、歌曲名は「  」で囲っています。)




太田裕美(『ゴールデン・Jポップ/ザ・ベスト』『こけてぃっしゅ』『Elegance』『手作りの画集』)
 『ゴールデン・Jポップ/ザ・ベスト』ですが、 この二枚組アルバム、一枚目がほとんど筒美京平さん作曲の歌で、私の青春の一部ともいえる思い入れの深い作品群です。私の最も好きな作曲家というのは、ミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』などのリチャード・ロジャースと『アラビアのロレンス』などの映画音楽の作曲家であるモーリス・ジャールですが、日本人の作曲家では、筒美さんが筆頭にあげられます。その理由の第一は、大田裕美の名曲郡を生み出したからです。ちなみに、一番好きな日本人の作詞家は松本隆さんで、これもやはり同じ理由によるもの。今の若い人たちは、野口五郎といえば「私鉄沿線」、太田裕美といえば「木綿のハンカチーフ」といった定番しか知らないかもしれません。もちろんそれらもいい歌ですが、彼らの様々なアルバムを聴けば、それを凌駕(りょうが)するような傑作があふれていることに驚かれると思います。このアルバムでは「心象風景」「ピッツア・ハウス22時」「煉瓦荘(れんがそう)といった今までベスト盤にあまり入っていなかった私の愛する名作が入っていることがうれしい。あと「都忘れ」『手作りの画集』)と「Summer End Samba」『Elegance』)が入っていれば、いうことないんですが(『ゴールデン・Jポップ/ザ・ベスト』は現在廃盤になってます)。
 太田裕美の歌に関しては語りたいことがたくさんあるので、いずれまた別のページで詳しく説明したいと思います。

岩崎宏美 (『Golden best』『思秋期から……男と女』)
 岩崎宏美は、当時いわゆるアイドル歌手の中でも野口五郎と並んで歌唱力が優れていることでは定評がありましたが、二人とものちにミュージカル『レ・ミゼラブル』に出演してますね。ミュージカルといえば、十代の頃の私は歌謡曲が嫌いでミュージカルの歌や洋画の映画音楽ばかり聴いていました。そんな私が、今のJポップに近くなった太田裕美や岩崎宏美の歌に夢中になったのは二十歳を過ぎた頃です。作詞家の阿久悠さんが亡くなったとき、「思秋期」をくり返し聴きましたが、本当にすばらしい詞と曲ですね。彼女の定番で一番好きなのは、この歌と「万華鏡」、それに「想い出の樹の下で」です。しかし、定番以外で大好きな歌として「美しい夏」『飛行船』)と「南南西の風の中で」『パンドラの小箱』)というのがあります。前者は失った恋の悲しみ、後者は現在進行中の恋の喜びを歌ったもので対照的ですが、どちらもとても美しい曲です。

野口五郎 (『北回帰線』『異邦人』)
 野口五郎は、郷ひろみ、西城秀樹と共にいわゆる「新御三家」といわれた中の一人ですが、その歌唱力には定評があり、多くのヒット曲を発表しました。しかし、この『北回帰線』『異邦人』、それに『ロサンゼルス通信』という三枚のアルバムは、それ以外のものと較べてかなり異質なものです。第一には、これらの中にはシングルとして出した曲はなく、すべてこれらのアルバムのために作られたオリジナル作品であること。第二に、曲が、彼がそれまで歌ってきた歌謡曲っぽいものではなく、欧米的な洗練された感覚を持っており、当時のニュー・ミュージック、今でいうJポップの範疇(はんちゅう)に入るものであったこと。第三に、これらはすべてロサンゼルスとニューヨークで録音された海外録音盤であり、しかも演奏には外国の一流ミュージシャンが集結していたことです。このようなアルバムを三枚も発表し、しかもどれもが非常にレベルの高い作品というところに、当時の彼の勢いというか、凄さを感じさせます。『北回帰線』はそのスケールの大きさ、雄大さと共に繊細な感性が深い感動を呼ぶ名盤。『異邦人』はその都会的で優美なサウンドが聴く者を酔わせる名アルバムです。私も当時、かなりのめり込んで聴いていました。『北回帰線』『異邦人』はCD化されたときまた買いましたが、残念ながら現在は廃盤なんです。復刻してくれるとうれしいんですけどね。

河合奈保子 (『Summer Delicacy』『Daydream Coast』)
 河合奈保子は、松本伊代・早見優・石川秀美などが出る前にデビューしたアイドル歌手の一人。私はこの四人が順番に好きになったんですが、河合奈保子も、読売ランドのコンサートには二回ほど行ったし、アルバムもレーザーディスクもずいぶん買って鑑賞してました(若い人たちのために説明しておくと、レーザーディスク〔LD〕というは、今のDVDをアナログ方式にした映像記録媒体。直径が30センチもあった)。彼女は性格的には、徹底して明るくて、底抜けの善人という感じでした。でも、美容師の人と結婚してからはいっさいテレビなどには出演せず、その点では山口百恵なみですね(石川秀美は少しCMに出演したことはあります)。
 『Daydream Coast』は、海外録音盤で全曲オリジナル。その点では、野口五郎の海外録音盤と似てますが、作曲は外国の作曲家によるものです。また、彼女の場合CDと同じ曲の入ったイメージビデオも海外で撮影しており、そのLDをよく見てました。音楽的にも優れたアルバムであり、私が特に好きなのが「Home Again,Alone Again-ガラスの中の海-」という歌。気品にあふれた名曲です。
 『Summer Delicacy』もレベルの高いアルバムで、八神純子作曲の「幻の夏」という歌が私のお気に入り。幻想的で美しい曲です。

薬師丸ひろ子 (『2000(ミレニアム) BEST』)
 薬師丸ひろ子はオーディションで選ばれて角川映画に子役として出演したのをきっかけに、映画スターとしての道を歩み始めました。同時に、その張りのある透明な声を生かして、いくつもの優れた歌曲を発表しています。私が一番好きなのは、竹内まりや作詩・作曲の「終楽章」。彼女の歌の中で最高の出来ではないでしょうか。三角関係の中で今まで付き合ってきた男性と別れ話をするという深刻な内容ながら、彼女はサラリと明るめに歌い、それがかえって感動を呼ぶ作品です。歌詞の最後の部分が泣かせます。

松田聖子 (『Pineapple』『Windy Shadow』)
 松田聖子の『Pineapple』というCDは、私が最初に買ったCDです。このアルバムのアナログレコードはすでに持っていたのですが、レコードがCDに変わって最初に発売になった少数のCDの中にこのアルバムが入っていたので早速買ってみました。もっとも、当時、新発売となったCDプレーヤーは、一番安いもので十七万円ほどもしてたので、すぐには買えませんでした。そこでまだ音の出せないCDの虹色に輝く銀盤を眺めながら、「ああ、これがレコードの理想形、CDというものか」と感心していたしだいです。
 松田聖子というのは、最後のカリスマアイドルといっていい存在ですね。というより厳密な意味でのカリスマアイドルというのは、女性のソロでは山口百恵と松田聖子しかいなかったといえるかもしれません。現在の安室奈美恵や浜崎あゆみとどう違うのかといわれれば、当時のアイドルというのは音楽活動だけでなく、映画やテレビドラマやバラエティー番組にも出演し、水着のグラビアもどしどし撮影していました。だからほとんど音楽活動しかしていなかった太田裕美なんかは、あまりアイドルとは呼ばれなかったわけです。もし浜崎あゆみが音楽活動だけでなく水着のグラビアとか女優も続けていたら松田聖子以来のカリスマアイドルと呼ばれたかもしれないけど、彼女は音楽活動に専念したためそうはならなかったわけです。
 ところで、松田聖子の歌の中からただ一つだけ選べといわれれば、躊躇(ちゅうちょ)なく『Pineapple』の中に入っている「赤いスイートピー」を選びますね。定番ですけど、本当にきれいな曲ですから。ちなみにこの歌の作曲者の呉田軽穂(くれたかるほ)というのは、往年の名女優のグレタ・ガルボのもじりで、松任谷由実がほかの歌手に楽曲を提供するときに用いる変名です(ただし、荒井由美時代は別)。
 この歌以外にも彼女にはいい歌曲がたくさんありますが、その中で最も印象的だったのは『Windy Shadow』というアルバムに入っている「Star」という歌。当時彼女は確か郷ひろみとの世間公認の恋愛中だったと思いますが、アイドルである彼女は、当然一般の女性のように自由に恋人と会うことなどはできない。そんな彼女の辛い胸の内を作詞家の松本隆さんが代弁して歌詞を書いたようなのがこの歌です。もっとも、「星の数ほどの恋歌があるけど、歌う私には愛しあう自由もないのよ」という歌詞は、当時のアイドルに共通していた境遇だったともいえましょう。

松本伊代 (『松本伊代〈New Best One〉』)
 昔からアイドルが好きだった私は、様々なアイドルの曲を聴いてきました。でも、音楽性が優れていないものはほとんど聴かなかったです(この優れた音楽性というのは、歌がうまいということではなく、曲がいいということです)。多くの女性アイドルの中で最も優れた歌曲が多かったと思われるのが河合奈保子と松田聖子、あと松本伊代と南野陽子でしょうか(太田裕美と岩崎宏美は別として)。アイドルの歌というとバカにする人もいるかもしれませんが、特に当時は、一流の作曲家やシンガーソングライターたちが競うようにしてアイドルたちに楽曲を提供していました。それらの歌の中には、提供者本人が歌う歌よりよいのではないかとさえ思える傑作が少なくありません。
 私は松本伊代の同期で仲良しの早見優のCDもよく聴いたし、石川秀美のLDもよく見たけど、やはり曲のよさでは、松本伊代が一頭地を抜くという感じでしたね。彼女はデビュー当時は「センチメンタル・ジャーニー」などの可愛らしい曲が多かったのですが、ベテランになるとこのベストアルバムの中の曲のように優れたバラードを発表しています。特におすすめは「すてきなジェラシー」「泣かないでギャツビーⅡ」
Sonatine(ソナチネ)の三曲。ただ、「Sonatine」というのは、シングルでは全く売れなかった歌なんですね。彼女の最高傑作が一番売れなかったというは皮肉なことだけど、テレビでこの歌を聴いた覚えがないので宣伝にも問題があったのかもしれません。しかし、彼女の歌の中で後世まで残るのは、案外この作品かもしれませんね。


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