テレビ番組の制作会社はゼネストを決行せよ ② |
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『テレビ番組の制作会社はゼネストを決行せよ ①』に戻る 「ここがおかしい 日本」に戻る ストライキの具体的方法 「視聴率第一から視聴者第一へ」 スト実行委員会の活動について さて、テレビ業界の まず、ゼネストを実行する主体だが、テレビ番組の制作会社の団体としては、全日本テレビ番組製作者連盟というのがある。このような団体が主体となって放送会社に要求を では、スト実行委員会を構成するのはどのような団体だろうか。俳優の団体としては、かつてストライキの実施を明言して声優のギャラを三倍にアップする要求を呑ませた日本俳優連合がある。スタッフは、監督・撮影・照明・美術・録音・編集などのスタッフが各分野ごとに団体を持っているが、それらの連絡組織としては日本映像職能連合、日本映画メインスタッフ連合会などがある。映画とテレビの両方の仕事をしている人たちも多いので、両者の組織はたいてい分かれてはいない。そして、これらの組織が主体となってスト実行委員会を構成するのが望ましいが、放送会社との 次はスト実行委員会が放送会社に対して掲げる要求の内容である。これは大きく分けて次の三つになる。 ① 放送会社が番組制作会社に支払う制作費を二倍にする。番組制作会社はスタッフや俳優に支払う給与やギャラを大幅に増やす。 ② 放送会社に対し、制作費を大幅に増やしても経営が成り立つように、コスト削減と増収を実現するための具体的な経営改善の提案を行う。 ③ 現在の視聴率至上主義を根本的に改め「視聴率第一から視聴者第一へ」のスローガンを掲げて、番組の質向上、視聴者の満足度の向上、放送倫理の確立をめざした大改革を要求する。 それでは、それぞれの項目の具体的な説明をしよう。 ① 放送会社が番組制作会社に支払う番組の制作費を二倍にする。番組制作会社はスタッフや俳優に支払う給与やギャラを大幅に増やす。 『テレビ局の裏側』によると、テレビ番組の制作費はスポンサーが支払う金額の三割程度だという。これを二倍の六割程度にするというのが第一の要求である。これにより番組の質向上がはかられ、スタッフなどの異常に安いギャラもアップする。また、低制作費による無理な番組制作が減るため、「やらせ」などの放送倫理に反するような行為も少なくなるだろう。 そもそもスポンサーだって番組制作のために金を払っているつもりだろうし、「 ただ、現在、各放送会社は不況で広告収入が減少し、また地上波のデジタル化に伴う巨額の支出で経営が苦しいという状況にある。こうしたときに放送会社に対し単に「我々に渡す制作費を二倍にしてほしい」と言ったところで、「それは不可能だ」とはね返されるのがオチである。そこで、番組制作会社やそのスタッフなどは、制作費をもっとよこせと言うだけではなく、放送会社の経営改善の具体的かつ現実的な提案までやらなければ、この要求には説得力が欠けるということになるだろう。 ② 放送会社に対し、番組制作費を大幅に増やしても経営が成り立つように、コスト削減と増収を実現するための具体的な経営改善の提案を行う。 私が考える放送会社の経営改善の具体策は、主として次の四つである。 (1) 現在、テレビ広告の取り扱いは電通と博報堂が独占しており、その費用も異常に高い。広告代理店の新規参入を認めて競争原理を導入し、広告関連のコストを下げなければならない。 (2) 報道部門では、臨時ニュースの発生に備えて多数の社員が24時間体制で備えていて、これに (3) 放送会社では、警備員のような仕事でも部長待遇で大変な高給を受け取っているケースもあるという。そのような仕事は外部に (4) 現在、放送会社は不況により広告収入が大幅に減っており、これを根本的に解決しないかぎり経営の改善はありえない。そんなこといったって国全体の不況の問題は民間企業としてはどうしようもないではないかといわれるかもしれない。しかし、そんなことはないのである。これは筆者の テレビ朝日 TBS ③ 現在の視聴率至上主義を根本的に改め「視聴率第一から視聴者第一へ」のスローガンを掲げて、番組の質向上、視聴者の満足度の向上、放送倫理の確立をめざした大改革を要求する。 さて、放送のスタッフや俳優の所属する団体がこれらの要求を放送会社に突きつけた場合、放送会社はそれを そこで、スト実行委員会は、放送会社に対して単に番組制作費を二倍にしろというだけでなく、視聴者や国民の利益にもなり、彼らの共感を呼ぶような放送業界の改革案を提案する必要がある。また、そのことは結果的に放送業界の体質改善や番組の質向上につながり、長期的には業界の発展に まず委員会は、改革のスローガンを提示するのが効果的である。そのスローガンとは「視聴率第一から視聴者第一へ」である。スローガンというのは、戦争中の「生きて ただ、スト実行委員会は、現在の放送番組が抱える「やらせ」などの問題に対し、自分たちも「共犯者」であったということは最初に認めて謝罪しておく必要がある。あまりにも制作費が安いためやらざるをえなかったという側面もあるが、自分たちはあくまでも弱者で被害者にすぎないみたいな顏をしてると、国民の反発を招くだろう。したがって、自分たちの今までの非を認め謝罪したうえで次の改革の項目を提示することになる。ただ、これらの項目の詳細については、『テレビ局の裏側』などの本に述べられているので、一部をのぞき簡単な説明に留めたい。 (1)「やらせ」をやめる。 テレビ番組におけるいわゆる「やらせ」の問題というのは、どこまでが「演出」として許容されるかといった課題もあるが、現在でもとうてい許されないような「やらせ番組」は平然と作られているようである。フジテレビの『逃走中』などという年に何回か放映される番組も、注意して見ていれば、シナリオどおりに作られた完全なやらせ番組であることがわかる。ましてプロが見れば (2)「 「山場CM」というのは、番組が盛り上がっている途中でCMを入れることにより、CMになっても視聴者がチャンネルを変えないようにする手法である。「結果はCMのあとで」みたいなやり方はよく目にするが、それが最近は特にひどい。CMが終わったあと結果がわかるのかと思うと、さらにまたCMが入ったりする。あるアンケートでは山場CMを86%の人が不快と感じているという。外国では視聴者に不快を与えるようなCMの入れ方は法律で禁止されていることも多く、山場CMは日本では四割に及ぶのに対し、フランスでは0%だそうである。(『テレビ局の裏側』に詳述されている) (3) フライングをやめる。 「フライング」というのは、番組を毎 (4) テロップの使用は必要最小限にする。 テレビ画面の下に (5) 視聴者を ここまで書いてきて、なんだか小学生に道徳を教えているような気がして情けなくなってきた。政治家やマスコミの人間というのは、本来国民の手本となるような人物が中心となるべきなのに、現在の日本は最も下等な人間が多く集まっている世界かもしれない(反社会的団体は別として)。だからこそゼネストという過激な手段を用いても「革命」を起こす必要があるわけだが。 視聴者を騙すような手法とは、「番組はまだまだ続きます」とナレーションを入れながら、CMのあとすぐに終わってしまうようなケース。誇大な表現は、出演者がしくしく泣いているのに「大 (6) 幼児のテレビの長時間視聴の害について視聴者に警告し、子ども向けテレビ広告の規制を行う。 はっきり言えば、日本の放送会社の経営者の関心のほとんどは「 たとえば、幼児に長時間にわたってテレビの視聴をさせることは、脳の発達などに害があることはよく知られているが、テレビでそれを表明すると視聴率が落ちるため、一切触れようとはしない。放送会社は、次のような日本小児科学会が提言しているような内容を、定期的にテレビで放映すべきである。 ・2歳以下の子どもには、テレビ・ビデオを長時間見せないようにしましょう。内容や見方によらず、長時間視聴児は言語発達が遅れる危険性が高まります。 ・テレビはつけっぱなしにせず、見たら消しましょう。 ・乳幼児にテレビ・ビデオを一人で見せないようにしましょう。見せるときは親も一緒に歌ったり、子どもの問いかけに応えることが大切です。 ・授乳中や食事中はテレビをつけないようにしましょう。 ・乳幼児にもテレビの適切な使い方を身につけさせましょう。見おわったら消すこと。ビデオは続けて反復視聴しないこと。 ・子ども部屋にはテレビ・ビデオを置かないようにしましょう。 また、子ども向けのテレビCMを見た子供に商品をねだられて困った経験のある親は多いのではないだろうか。もちろんいちいち買うわけにはいかないから拒否するわけだが、子供たちはCMを見るたびに欲求不満が高まっていく。2008年2月13日の読売新聞の記事には、子ども向けのCMについて次のように書かれている。 「子ども向けテレビ広告に関しては、85%を占める62か国で規制を実施。スウェーデンなど、12歳未満の子ども向けテレビ広告を全面的に禁止している国もあった。しかし日本は他の先進国に比べて規制はゆるく、メディアの発達が遅れている途上国と同程度とされた」 「テレビのキャラクターが企業の商品を宣伝することで子どもの購買意欲を過剰にかきたてる。また、現実とテレビの仮想世界があいまいになり、子どもの発達にも影響が出ることもある」(専門的にはホストセリングといわれる問題) 当然、先進国なみの規制をすべきである。 (7) 放送会社のプロデューサーなどが番組制作会社などからリベートや贈答品を受け取ることを完全に禁止する。 特にバラエティー番組などのプロデューサーが、番組制作会社や芸能プロなどから長期にわたって多額のリベートを受け取っていて、テレビ局を したがって放送会社は、単にリベートの受取りを徹底して取り締まるだけでなく、中元・ (8) 偏向報道をやめる。マスコミ倫理審査会の監修による自己批判番組を放映する。 「偏向報道はいたしません」と言いながら偏向報道をするのはテレビ局の“お もっとも、最近は、本来「国益重視」のサンケイ新聞系列であったはずのフジテレビが、テレビ朝日とTBS以上にひどい偏向した放送を行っている。韓国の様々な工作によって、韓国を持ち上げ、日本を 倫理的に地に落ちた放送界、および新聞業界の「倫理革命」を実現し、 内容はまず、二週間前から七日間に放映された民放、およびNHKの番組の検証である。特に偏向報道とやらせについては厳しく追及する必要がある。そして各放送会社は審査会に全面協力し、審査会が要求するビデオや資料などをすべて提出しなければならない。また、この番組の中で、問題がある番組の一部を放映することも当然認める。 また、直近の番組だけでなく、過去の番組に そのほかテレビ・新聞の過去における偏向報道も取り上げる必要がある。なぜ中国の文化大革命の大虐殺やチベット侵略と大虐殺について報道をしなかったのか。同和問題について報道してこなかったのか。また、テレビや新聞の電通や創価学会との (9) スポンサーに必要以上に気をつかうな。 ドラマなどでスポンサーの販売する商品をセットの中に配置し、それをスポンサーの要望により写すようにするというようなことはしばしば行われる。しかし、そのためにドラマの演出として不自然になることも少なくない。こうしたことは『テレビ局の裏側』に詳しく述べられているが、ドラマを作品として考えた場合、これはプロデューサーや監督の創作に対する不当な 「スポンサーの会社の中には美術展に協賛するところもあるでしょう。そのとき自分たちは金を出しているのだから出品する絵の中に自社の自動車や電気製品を描いてほしいなどと言うでしょうか。あるいは、ピカソやルノワールの絵の横に自社の化粧品や食品を並べてほしいと要求するでしょうか。しかし、あなたがたの要求していることはそれと同じことなのです。私たちが制作しているテレビ番組は、作品であって広告の道具ではありません。広告はCMとしてきちんと放映しているのですから、そのような不当な要求は今後一切さしひかえていただきたい」 それでも要求が通らなければスポンサーを降りるなどと無理を言う企業があれば、ペナルティーを科すことも必要だろう。すなわち、その企業名を公表し、一定期間、日本中のすべての放送局でのCMの放映を禁止するのである。 以上が私が考えた、スト実行委員会が放送会社に対して要求する内容である。もしこの内容が視聴者・国民に広く正確に伝えられたなら、世論の支持を得、それが委員会にとって大きな支援ともなるだろう。しかし、実際問題として、それには大きな障害があるといわざるをえない。というのも、現在の世論はテレビと新聞が作っているという側面が強いが、そのテレビを支配している放送会社を敵に回すことになるわけだし、その大株主の新聞の支持も得にくいため、世論操作という面でかなり不利な闘いになると予想されるからである。 今までも、日本のテレビ局は自分たちの利益にとってマイナスとなるような報道は可能なかぎり避けてきた。この問題についても、おそらくそんな問題はこの世に存在しないみたいな態度をとろうとし、スト実行委員会にも これに対して新聞はどうだろう。読売や朝日など大新聞は放送会社の大株主ではあるが、さすがにこの問題に関してはある程度の報道は実行するだろう。現在の放送界の抱える問題点や、スト実行委員会の要求についても最低限の報道はすると思う。ただ、放送会社の経営に打撃を与えるようなことは自社の経営にも直接影響するため、社説では次のような当たりさわりのない主張をするのではないだろうか。 「たしかに現在、放送会社の社員と下請けの番組制作会社の社員や契約社員との給与などの格差は大きく、彼らが待遇の改善を求める気持ちは理解できる。しかし、現在の放送会社は不況の影響で広告収入が減り、また地上波のデジタル化に巨額の費用がかかることもあり、経営的に大変苦しい状況にある。そのようなときに制作会社に支払う制作費を二倍にせよというのはあまりにも過大な要求であって、非現実的といわざるを得ない。また、要求が通らなければストライキに入るということだが、その結果多くの番組が制作中止に追い込まれれば視聴者の反発も招くだろうし、 「話し合いによる理性的な解決」というのは一見理想的であるように思える。しかし、物事を根本的に解決するには過激な方法を取ったほうがうまくいくことも少なくないのである。たとえば、タバコのポイ捨て問題について考えてもらいたい。タバコのポイ捨てというのは本来喫煙者のマナーの問題であり、路上で喫煙している人から罰金を取るなどという過激なことはすべきでないと長年いわれてきた。しかし、歩行喫煙者に百万回マナーのことを言ったってポイ捨ては減らない。結局、彼らから罰金を徴収するという過激な政策を実行することにより、路上の この放送界の問題も、放送会社とスト実行委員会が話し合い、放送会社が支払う制作費をわずかに増やす程度のことで妥協してしまったら、放送界の改革などは全くできないまま終わるだろう。これに対し、「制作費を二倍に増やす」というのを実行するためには、放送会社は「革命」ともいえる業界や社内の大改革を とはいっても、やはり世論に対して最も影響力のある放送会社を敵に回し、新聞も協力してくれないという状況は、大衆の支持を受けるという面で厳しいことは事実である。したがって独自の世論対策をしなければならない。 まず、最初に出版界に働きかける必要がある。週刊新潮や週刊文春など、今までテレビ業界に対して批判的な記事を載せていた週刊誌には、スト実行委員会の主張を伝えて協力的な記事を載せてもらうよう頼み込む。月刊の文藝春秋に委員会の委員長の主張を しかし、現在最も大きな武器はインターネットである。当然スト実行委員会のホームページを作り、委員会の主張や要求している内容について載せる必要がある。ただ、単に文章だけだとすべてを読んでくれる人というのはあまり多くないのではないかと思う。そこで委員会の主張まとめた五分ほどのビデオを寸劇の形式で作成するといいだろう。テレビでよくやる再現ドラマのようなものである。ビデオ作成は自分たちでやるわけだから、さほど費用はかからないだろう。 ビデオの内容について述べると、まず、最初に、テレビ番組制作会社の現場のスタッフなどが低賃金で長時間働かされている悲惨な状況、放送会社の社員との賃金格差などについて描写する。そして制作費が少ないため「やらせ」など放送倫理に反することをやらざるをえない状況についても説明し、自分たちが求めている制作費を二倍に増やすということも、決して過大な要求ではないということを大衆に納得させるのである。 次に不況下で放送会社が下請けに支払う制作費を大幅に増額することを可能にするため、委員会が要求している放送会社自体の大改革についても説明する。しかし、これは専門的な話なので、ごく簡単でいい。そして、最後に、「視聴率第一から視聴者第一へ」のスローガンをかかげ、自分たちが要求しているのは単に制作費を増やせということだけではなく、番組の質を向上させ、視聴者が不快に感じているCMの挿入方法などを規制するということも含まれるということを説明する。私が先程あげた放送における多くの改革案を 五分間のビデオにこれだけ多くのことを盛り込むのは大変だろうが、あまり長すぎても見てもらえないので、何とか実現してもらいたい。そしてこのビデオは、委員会のホームページで見せるだけでなく、You Tubeなどにも提供し、可能なかぎり多くの人に見てもらえるようにする。 以上が私が考えた委員会の世論対策だが、委員会は放送会社との実際の交渉においてどのような心構えで望めばいいのだろうか。交渉の内容について妥協してはいけない点、妥協してもかまわないところはどこだろうか。 まず、妥協してはいけない点だが、制作費を二倍に増やすことや放送会社の内部の改革案、そして番組制作やCMについての改革案などがそれである。すなわち私があげた改革案の具体的内容については妥協してはいけないということである。放送会社は大改革をすることはしんどいから、様々な理由をあげてこれを回避しようとするだろう。しかし、この内容で妥協してしまっては改革は では、妥協してかまわない部分というのはなんだろうか。それは改革の期間や制作費アップのための そしてこのような条件で双方が合意したとしても、スト実行委員会は形を変えて放送会社の改革の そして、番組制作やCMの挿入方法の改善などについても、確実に実行されているか検証を続けなければならない。また、スト実行において主導的役割を果たした番組制作会社やスタッフなどに対して、仕事を減らすなどの「報復」が行われていないかについても、監視する必要がある。 「ここがおかしい 日本」に戻る このページのトップに戻る |